「なんでそれ選んだの?」に答えられる人は、信頼される──ペイオフの心理学

ビジネスに役立つ心理学

「なんでその判断したの?」
そう聞かれて、言葉に詰まったことはありませんか?

現場では、勘、経験、とっさの感情…。
とにかく即決しなきゃいけない場面が多い。

でも、そうやって“なんとなく選んだ判断”ほど、
あとから「これでよかったんかな…」って後悔することもある。

時間のない方は、Youtubeショートにまとめてますので、概要だけご覧ください。


■ そこで使えるのが「ペイオフマトリックス」

ペイオフマトリックスとは、選択肢ごとの
「得られるもの/失うもの」を“見える形”で並べて判断する方法。

心理学というよりは、行動経済学や意思決定論で用いられる思考ツールです。


たとえば──

「このお客さん、カウンターに案内するか?テーブルにするか?」

  • カウンターに案内すると…
     → 視界に入りやすく接客しやすい(得)
     → 長居しにくいので回転率は上がる(得)
     → 落ち着きたい人には向かない(失)
  • テーブルに案内すると…
     → ゆっくりしてもらえる(得)
     → 接客に時間がかかる(失)
     → 混雑時は回転が下がる(失)

→ このように「得失」を書き出すことで、判断が整理されていく

ペイオフマトリックス

汎用性が高いフレームワークですので、サンプルを掲載しておきます。必要に応じて軸を変えながら使ってください。コピー用紙などにボールペンで縦横の軸をを書いて、付箋を貼り付けるなどすると、あっという間に思考の整理ができます。

ラベル説明
🔴 赤最優先コストが低く、効果が大きい。即行動すべき“おいしい施策”。少しの工夫で大きな結果が出ることが多い。
🔵 青高優先多少コストがかかっても、得られる効果が圧倒的に大きい。長期視点でも投資すべき領域。
⚫️ グレー低優先効果も小さく、コストも少ない。やる意味がゼロではないが、優先順位は低め。余裕があるときに。
⚫️ 黒手をつけないコストばかりかかって、効果が薄いゾーン。時間もお金も取られる割に見返りが少ないので、着手しないのが基本。

■ 判断に“根拠”が生まれると、迷いが減る

頭の中にある「なんとなく」を、
言語化・構造化しておくと、同じ場面で迷わなくなる。

つまり、感覚でやってたことを、思考で選べるようになるということ。


■ 心理的にも「説明できる判断」は安心される

実はこれ、行動心理学的にも効果があるんです。

人は、理由がはっきりしている判断には安心感を持つ。
「この人、ちゃんと考えてるな」と思われる。

逆に、感覚だけで動いてるように見えると、
なんとなく信用されない。


■ 判断の精度=信頼の精度

だからこそ、判断を“見える化”しておくことは、
自分自身の思考整理にもなるし、周囲との信頼構築にもつながる。


■ この投稿は、全5回シリーズのラストです

ここまでの5回は、こういう流れで組んできました:

  1. 居心地よく“見せる”錯覚
  2. にぎわって“見せる”空間演出
  3. 起きた現象に“意味づけ”する(スキーマ)
  4. その意味を“構造化”して人に伝える(メタ認知)
  5. そして今回──「どう判断するかを整理する」フェーズです。

ここでいったんこのシリーズは完結。


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