「なんで伝わらないの?」の正体は、“感覚の押しつけ”かもしれない。

ビジネスに役立つ心理学

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■「俺ができるんだから、お前もできるだろ?」

売れているオーナーや店長がつまずきやすい壁の一つがこれです。

「なんであいつは、あれくらいの空気感を読めないんだ?」
「俺の時は、そういうときこう言ってたぞ?」

──でも、これって実は自分の中の当たり前”を相手も持ってると思い込んでる状態なんです。

それを心理学では「スキーマ」と呼びます。


■ スキーマ=“判断と行動の型”

スキーマとは、人の頭の中にある「経験によって形成された行動・判断のパターン」のこと。
言い換えれば、「こういうときは、こう動く」という“脳内テンプレ”です。

ベテランになると、このスキーマが無意識に体に染みついている
でも新人やスタッフは、そのテンプレ自体がまだインストールされていない。

だから、「あのときの空気、感じたでしょ?」と言っても通じない。
そもそも、感じ取るセンサーの設計図(スキーマ)を持ってないんです。


■ 「マニュアルがあればいい」では、伝わらない理由

よくある誤解に「マニュアルを読ませればできるはず」という考えがあります。
でも実際の現場では、マニュアルはあっても動けないスタッフがたくさんいますよね。

これは、マニュアルが「行動」を書いていても、“なぜその行動が必要なのか”という背景が抜けているからです。

スキーマとは、「意味づけ」まで含んだ構造。
「なぜ、どのタイミングで、その言葉を使うのか?」
ここまでセットで伝える必要があります。


■ 接客で成果を出すには、「スキーマの言語化」が不可欠

たとえば、こんなセリフ──
「こちら、人気の商品です」

この一言、ただ覚えさせても意味がありません。

  • なぜ人気だと伝えるのか?(→ 確証バイアスを引き出すため)
  • いつ伝えるのか?(→ 選択肢を出したあと)
  • どんな言い方をするのか?(→ 自然に、売り込み感を出さず)

ここまでを含めて“使える知識”にしてあげないと、スタッフは動けない。


■ 感覚は、言語化して初めてチームに共有できる

オーナーの「売れる感覚」は貴重な資産です。
でも、それを「伝わる形」に変えないと、スタッフは再現できません。

だからこそ必要なのは、「感覚」ではなく「構造」で伝えること。
= スキーマの言語化です。


■ スキーマを育てれば、属人化を越えられる

属人化の現場って、要するに「売れる人が1人だけ」状態。
でもスキーマをチームで共有できるようになれば、
誰でも“売れる接客”を再現できる仕組みに変わります。

スタッフが自信を持って提案できるようになり、
オーナーは「また俺が売るしかないのか…」という重圧から解放される。


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【要約記事はこちら(note)】

「その空気、感じたでしょ?」は伝わらない。|石井つかさ
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