今朝、NHKの「あさイチ」を眺めていたら、「カラーハント」という遊びを紹介していました。あらかじめ今日の色を一つ決めて、街を歩きながらその色のものを見つけては写真に撮っていく。看板でも、自販機でも、誰かの傘でも、なんでもよか。集めた写真をSNSに並べると、見慣れた街がぜんぜん違う表情で出てくる——そういう、なんとも穏やかな遊びです。

いいなあ、と思って見てたんですけど。私はそこで、ちょっと別のところに引っかかったとですよ。「で、今日の色って、どうやって決めると?」と。
カラーハントは「街の解像度」が上がる遊び
カラーハント(カラーハンティングとも言うらしい)は、Z世代を中心にSNSでじわじわ広がっている街歩きの遊びだそうです。やることは単純で、テーマカラーを決める、その色を探して撮る、並べる。それだけ。

でも、これがけっこう深い。人間って、目的を一つ持って歩くと、世界の見え方が変わるんですよね。「赤を探そう」と決めた瞬間、今まで背景でしかなかったポストや消火栓や誰かのスニーカーが、急にこっちに話しかけてくる。普段は素通りしてる街が、いきなり情報量を増してくる感じ。これは行動心理でいう「カラーバス効果」——意識した情報が勝手に目に飛び込んでくるやつ——の、たぶん一番平和な使い道です。
いざやろうとすると「色が決まらない」問題
で、やってみようと思ったんですが。最初の「今日は何色にするか」で、まず止まる。
これ、あるあるじゃないですか。選択肢が無限にあると、人はかえって選べなくなる。赤か、青か、いや渋く緑か……と考えてるうちに、なんか面倒になってやめる。せっかくの遊びが、入り口の手前で詰む。もったいなか話です。
だったら、色を決める部分は機械に丸投げすればいい。ボタンを一回押したら「今日はこれ」と一色出してくれる。そういう小さな道具があれば、人は素直に歩き出せる。決断の手前にある小さな摩擦を、こっそり取り除いてやる——道具の役割なんて、だいたいそんなもんです。
AIに頼んで「今日の色を決める道具」を作った
というわけで、作りました。やることは至ってシンプルです。
- 「今日の色を決める」ボタンを押すと、一色ぽんと出てくる
- その色に合わせたカラーパレットを、Instagram にちょうど収まるサイズでダウンロードできる
- パレットを1枚目に投稿して、あと8枚その色のものを集める。合計9枚


なぜ9枚かというと、Instagram のプロフィールが縦3×横3のグリッドだからです。並べる順番にもよりますが、うまくいくと画面ぜんぶがその色で埋まる。自分の小さな美術館みたいになるんですよ。これがやってみると、地味に気持ちいい。

おまけで、メインの色とは別に「それに合う補助の色」を3つ出すようにしました。こっちはカラーハント専用というより、「今日の服、何色にしよう」みたいなときの相棒です。メイン1色+合わせ3色が出れば、コーディネートの当たりを付けるのがだいぶ楽になる。色の組み合わせで毎朝うんうん唸ってる人には、わりと効くと思います。
偶然に身を任せるために、わざとロックをかけた
一つだけ、こだわったところがあります。一度色を決めたら、日付が変わるまで変更できないようにロックをかけたんです。
なんでわざわざ不便にするのか。理由は、この遊びの一番おいしいところが「偶然」だからです。気に入らない色が出たからって引き直せるようにすると、結局みんな好きな色しか選ばなくなる。それじゃ、いつもの自分の半径しか歩けない。出たくない色を渋々受け入れて街に出るからこそ、普段は撮らないものを撮るし、見ない景色を見る。不自由が、ちょっとした冒険を連れてくるわけです。
まあ、単純な作りなので、抜け道はいくらでもあります。日付を進めるなり何なり、回避する方法はある。そこは、使う方のご自由に。道具は縛るためじゃなく、背中を押すためにあるので、最後は本人の気分でよかよか、です。
10分でできた。今どきのAIは、ほんとに
このアプリ、Googleが出している「Antigravity(アンチグラビティ)」というツールで作りました。ざっくり言うと、AIが自分で考えて手を動かしてくれる、エージェント型の開発環境です。2025年の11月に公開されたばかりで、今は無料で試せます(このあたりは時期で変わるので、使うときは公式で確認してください)。
こっちは「こういう道具がほしい」と日本語でお願いするだけ。あとはAIが段取りを考えて、組んで、動くところまで持っていってくれる。完成まで、だいたい10分。私はもともとネットワークの人間で、プログラムはせいぜい軽くデバッグできる程度なんですけど、それでもこれくらいのものがサッとできてしまう。
正直、ちょっと拍子抜けするくらいでした。ほんの数年前なら「やりたいけど、作れんしなあ」で終わってた思いつきが、思いついたその日のうちに形になる。すごい時代になったというより、「面倒くさいから作らなかった」の言い訳がきかなくなった、と言ったほうが近い気がします。
カラーハント、よかったらやってみてください。色を一つ決めて街に出るだけで、いつもの道がちょっと知らない場所になります。決めるのが面倒なら、機械に決めてもらえばよか。そのための道具くらいなら、もう誰でも、10分で作れる時代なんですよね。
このアプリの利用は基本的に無料で、再配布もどんどんしてもらって結構です。そしてこのネタをパクってもらって、もっといいものを作ってもらうのもご自由です。自分で使ってて不便だなと思ってたときに調整するぐらいで、基本的に調整や不具合の修正依頼などは受け付けておりませんので悪しからず。


