取材に行って写真を撮ってくると、けっこうな確率で「あ、これ消さんといかんやつやん」が混ざっています。停めてある車のナンバー。たまたまフレームに入った通行人の顔。後ろを歩いてた人の、悪気なくバッチリ写った横顔。本人は何も悪くないんですけど、こっちは記事に載せる以上、消さないわけにはいかんのですよ。
で、その「消す作業」が地味にめんどくさい。今日はその話と、めんどくさすぎて自分でアプリを作ってしまった、という話です。
取材してると「これ消さなきゃ」が地味に多い
Webライター、特に現場に足を運ぶ取材ライティングをやっていると、写真の後処理は避けて通れません。お店の外観を撮れば駐車場の車が写るし、街なかを撮れば人が写る。プライバシーの観点でも、肖像権の観点でも、そのまま出すわけにはいかないものが毎回いくつか出てきます。
やること自体は単純なんです。ナンバーをぼかす。顔をモザイクにする。ここを見てほしい、という場所に丸をつける。本当にそれだけ。それだけなのに、ちょうどいい道具が手元になくて、毎回ちょっとずつストレスが溜まっていました。
というわけで、作りました
欲しいものが無いなら作るしかなかろう、ということで作ったのがこれです。
スマホでも使えます。
写真にぼかし・モザイク・マーカーをつけるアプリ(Photo Markup App)
ブラウザで開いて、写真を放り込んで、加工して、保存する。インストールも会員登録もありません。思い立ったときにURLを開けば、それで使えます。
できることは、ぼかす・隠す・印をつける。それだけ
機能はあえて絞っています。盛ると、結局どこに何があるか分からなくなって使わなくなるので。やれることは大きく3つです。


マーカー(強調)。「ここを見て」と示すための線です。自由線、矩形、正円、楕円、そして矢印。この5種類。手書きでぐるっと囲むも良し、きっちり四角で囲むも良し、矢印でビシッと指すも良し、です。

ぼかし。いわゆるガウスぼかしです。強度は固定にしてあります。ここを調整できるようにすると、人は無限に悩むので(私がそうです)、最初から「だいたいこれでよか」という強さに決め打ちしました。指でなぞる自由形と、四角く範囲を取る矩形の2種類があります。
モザイク。顔やナンバーを隠すならこっち、という人も多いと思います。これもぼかしと同じく、自由形と矩形の両方を用意しました。なぞった範囲、囲った範囲だけがモザイクになります。

逆に、無い機能もはっきりさせておきます。文字は入れられません。 テキストを入れ始めるとフォントだの色だの位置だので一気に「お絵かきアプリ」になってしまうので、最初から切り捨てました。あくまで「隠す・強調する」だけの、潔い“だけ系”アプリです。
写真は、どこにも送られません
これは仕組みの話なので、はっきり書いておきます。このアプリは全部あなたのブラウザの中だけで動いていて、写真をサーバーに送ったり保存したりしていません。
「送らないようにしている」というより、そもそも送る仕組みを作っていない、というのが正確です。加工は手元のブラウザで完結して、出来上がった画像も手元に保存されるだけ。どこかのサーバーに取材写真の素材がアップロードされて溜まっていく、みたいなことは起きません。仕事の写真を扱う以上、ここはいちばん大事なところやと思っています。
なんで、わざわざ自分で作ったか
今までは「Skitch」というアプリを使っていました。ご存じの方も多いと思いますが、Evernoteと連携して使うタイプの、画像に矢印や印をつけるツールです。悪いアプリではないんですけど、私の使い方には、どうにも噛み合わなかったとですよね。
Evernoteありきの導線だったり、欲しい機能までの手数が多かったり。「ぼかしてモザイクかけて丸つけたいだけなのに、なんでこんなに遠回りせないかんと?」と、毎回ちょっとずつ思っていました。
元エンジニアの悪い癖というか、良い癖というか。こういうとき私は「文句を言いながら使い続ける」より「自分で作る」に倒れがちです。あれもこれもできる立派なアプリより、自分が必要なことだけをまっすぐやってくれる道具のほうが、結局いちばん手に馴染みます。だから、機能を欲張らずに、自分の作業フローにピタッとはまる形で作りました。
よかったら使ってください
公開しているので、同じように「写真のここ消したいだけなんよな」という場面がある方は、どうぞ使ってみてください。ライターさんはもちろん、SNSに写真を上げるときにちょっと顔やナンバーを隠したい、くらいの用途でも普通に使えると思います。
最後に、いつものお約束を一つだけ。利用はすべて自己責任でお願いします。 個人で必要に駆られて作ったツールなので、そこだけご理解いただけると助かります。よろしくお願いします。


